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INTERVIEW WITH KENTO YAMAZAKI

――『キングダム』続編の製作決定について聞いたときのお気持ちは?

めちゃめちゃ嬉しかったですね。前作は全身全霊をかけて取り組んで、撮影が終わったときに、「まだまだこれからなのに」という思いがあったんです。撮影を通じて信の気持ちになっていましたから、「天下の大将軍になるまでやりたい」と思っていました。監督やキャスト、スタッフ皆で、熱い思いを込めて作った『キングダム』の続編が撮れるというのは、本当に嬉しかったです。

――前作は2019年の実写邦画No.1となる大ヒット(興行収入57.3億円)を記録していますが、前作の反響をどう感じていましたか?

それだけたくさんの人に観てもらえて、愛してもらったんだなと思うと、めちゃくちゃ嬉しかったです。観てくれた人も巻き込んで、熱くなって、一緒に進んでいける感覚があるのが『キングダム』で、あらためてすごいパワーのある作品だなと思いました。 周りにも『キングダム』が好きな人はたくさんいて、「『キングダム』最高だったよ」とたくさん言ってもらえて、頑張ったかいがあったなと。続編が発表されたときも、待ってましたっていう反応が多かったです。

――待ちに待った『キングダム2』の台本を読んだときのお気持ちは?

最初から最後まで面白くて、読んでいてすごく熱くなりました。前作は、「玉座奪還編」が丁寧に描かれていましたが、今回は信の初陣である「蛇甘平原の戦い」が描かれていて。伍を組むところから始まり、本能型の大将軍や知能型の大将軍の姿を目の当たりにし、縛虎申という仲間の思いを背負って戦う隊長の生きざまを目撃する。そのエピソードを丁寧に描いていけるというのが、信を生きる自分としてはすごく嬉しかったです。それに前作同様、原作者の原(泰久)先生が脚本に参加してくださっていて、映画ならではのシーンができていたのも嬉しかったです。 アクションに関しては、どういうものになるのか、台本からはわからない部分も多かったんですが、想像を膨らませて「どんなふうに撮るんだろう」とワクワクしましたし、撮影が楽しみでした。

――今回、精神面でも身体面でも、前作から成長を遂げている信をどう表現しようと思いましたか?

前作での信は、周りに巻き込まれて、翻弄され、成長していくキャラクターでしたが、パート2では自分が引っ張っていくようになるので、リーダーとしての資質が見えればいいなと思いました。 内面的には、前作で一番の親友である漂を亡くすというとても悲しい出来事があり、そこを乗り越えた経験を糧にして、強さと優しさを身につけている。それに加えて、信のもともと持っている素直さ、真っ直ぐさが、仲間を引っ張っていく力になると考えました。 僕自身も、日々の撮影を先頭を切って頑張ることによって、『キングダム』という映画を引っ張ることができればと思っていました。 身体に関しては、前回は戦争孤児なので、なるべく痩せた細い体にしていたんです。アクションも自己流で荒々しい感じでした。今回は自らの意志で一歩を踏み出していきますし、信なりにいろいろ修行もして鍛えていたと思うので、ちゃんと筋肉をつけつつ、柔軟に動ける体を作って、たくさんの戦に備えました。

――ハードなアクションも多かったですが、現場では疲れを見せずに何度も果敢に演じてらっしゃいました。

とにかく一番気合を入れよう、と。強い気持ちだけは常に忘れないようにしようと思っていました。自分だけが上手くいっても、他が上手くいっていなければ意味がないですし、その逆もありますが、誰もがより良いアクションシーンにしたいという思いで取り組んでいたと思います。映画ってみんなで作り上げる、総合芸術なんだなとあらためて実感しました。 大変なことももちろんありますけど、ずっとモチベーションを高く持ち続けられるぐらい、『キングダム』は魅力のある、熱くなれる作品なんです。それに信のように、感情をまっすぐ吐き出す演技は、やっていて気持ちよくて。たとえ疲れたりしていても、信を演じるとスッキリして、また力がわいてくるんです。

――クランクインは一昨年の6月。前作と同じ王宮(咸陽宮・大王の間)のシーンから撮影がスタートしました。吉沢亮さん演じる嬴政、橋本環奈さん演じる河了貂と、久々に再会していかがでしたか?

やっぱりあの二人と一緒のシーンからスタートできたというのは、すごく嬉しかったです。雰囲気が良く、ブランクも感じず、『キングダム』がまたここから始まるんだと実感できました。この日の信のセリフも、「いっちょ派手に暴れてくるぜ」とかだったので、役に入りやすかったです。吉沢さんは、政として、堂々と立っていてくれるので、隣にいて安心感がありました。 今回、嬴政や河了貂と一緒にいるシーンはほぼずっと一緒にいた前作に比べると少ないですが、離れたところにいても、同じ方向を向いて頑張っている。それぞれが自分の夢のために邁進しつつ、お互いのことを思っている。目指しているところは一緒ですし、強い絆がある、良い関係だなと思います。

――今回から加わった、羌瘣役の清野菜名さんの印象は?

男だらけの現場でしたが、清野さんは自然にそこにいてくれたので、伍のみんなも一緒にいて楽しかったと思いますし、何よりも、羌瘣のキャラクターをとても魅力的に演じていらっしゃいました。羌瘣のアクションはかなり難しいと思うんですが、すごく努力されて、素晴らしいアクションシーンになっていました。

――尾平役の岡山天音さん、尾到役の三浦貴大さん、澤圭役の濱津隆之さんとの共演についてもお願いします。

天音は10代の頃から一緒にいて自分の弱い部分とかも全部知ってくれている人で、本当に何でも話せる友達なので、近くにいてくれて、とても心強かったです。 そして、普段の貴大さんは、優しくて、懐が深くて、意外とよく喋るんです。壁が一切ない方で、演技のことを話したりもしました。 濱津さんもめちゃくちゃ優しかったです。普段は意外と無口なんですが、たまに口を開くとめっちゃ面白くて。必ず面白い答えが返ってくるのが、みんなたまらなく好きで、最後は濱津さんに話を振るという流れができあがっていました。すごく楽しかったです。

――過酷な撮影も、このメンバーだったからこそ乗り越えられた、という部分もありますか。

それは間違いなくありました。長い撮影になるので、やっぱり大事なのは人柄というか、最終的には人だなと思うんです。それが今回、すごく魅力的な人たち、本当に優しくていい人たちに囲まれて、大好きな『キングダム』の撮影ができて嬉しかったですし、とにかく楽しかったです。

――麃公役の豊川悦司さんの印象についてもお願いします。

豊川さんも存在感と説得力がすごくて、やっぱり生きてきた過程とか、生き方って演技に出るんだなと思いました。そして豊川さんもめちゃくちゃ優しくて、(物腰が)やわらかくて、素敵な方でした。麃公将軍の姿はちょっと怖かったんですけど(笑)。麃公将軍が黙って座っていると、隊のみんなはなかなか近づけなくて、「今、挨拶に行っていいのかな?」とか言っていたんです。「俺さっきあいさつしたとき、めっちゃ笑顔で返してもらったよ」と言うと、ようやく安心して挨拶に行くというやりとりがあったりしました(笑)。それは王騎将軍に対してもそういうやりとりがありましたね。

――大沢たかおさんとの再共演はいかがでしたか?

王騎将軍は信にとって、自分の目指す大将軍の形であり、そんな王騎将軍を演じている大沢さんが放つパワーやオーラは、異次元に感じるほどのエネルギーがあって魅力的で。王騎の言葉や空気感に引き出してもらう部分もかなりありましたし、またご一緒できて嬉しかったです。信が王騎に憧れ、尊敬しているように、僕にとっての大沢さんも、自分が役者をやっていく上で、憧れ、尊敬する存在になっています。

――2017年に、原作連載十周年記念の実写特別動画で信を演じたのが最初で、こうして映画に出演されて。『キングダム』に感じている縁があれば教えてください。

本当にいろんなご縁があって、信を演じることができていると思います。自分一人だけじゃなくてみんなの思いを背負ってやらせてもらえているなとすごく思うので、自分が、この俳優人生を歩んできて、信と出会えたというのはかなり意味があることなのかなと。『キングダム』という作品に出会えて、信という役に出会えて本当によかったと思います。

――信から受けた影響はありますか。

信はどこか僕自身の部分もありますし、今も体の中のどこかに信がいるという感覚はあります。信を演じたことで、以前よりも確実に前向きになることができていますし、たぶんめちゃくちゃ強くなっていると思います。精神的にも、肉体的にも。信を演じているとめちゃくちゃ強くなった気になるんですよ(笑)。それは自分にとって、プラスのことだと捉えています。

――『キングダム2』を楽しみにしている方々にメッセージをお願いいたします。

とにかくスケールが大きい作品なので、ぜひ映画館で観てほしいです。『キングダム』は、すごく熱くなれて、観た後に生きるパワーがもらえる作品です。観てくださった方たちが、信たちと一緒に熱い気持ちをもって生きていける作品だと思うので、公開を楽しみにしていただけると嬉しいです。